養母の凄い人生
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モクのこと
この頃の母は体調の優れない日が多く寝込む事が多くなりましたが、冬場は燃料の節約、夏は太っていたので夏バテで寝て過ごす姿を家族は見慣れてしまっていました。お店はもう完全に廃業しました。2間ばかりの長いカウンターが古新聞や季節外れの生活雑貨が積み上げられ乾ききった板敷きの床は迷い込んできたノラ猫クロの格好の運動場となっていました。私たちは動物好きで1年前までモクという薄茶色の犬を飼っていていつもラーメンスープの出し殻を与えていたのですが、私がそれを持っていくといつも身体をくねらせ、フサフサのしっぽをふって出てくるのにその日は物音ひとつしないのです。嫌な予感がして雪の小山を滑らないように長靴の踵に体重をかけてそっと近づいて小屋をのぞくと背中を丸くして横になりビクとも動かないモクの姿がありました。雪の降りしきる中を私がいつまでも家の中に戻らないのを心配した母が出てきて「可哀想な事をしたね。餌をきちんと上げればよかったけれどノラ犬で居るよりは幸せだったよね」と話し掛け、硬くなったモクの身体を擦りながら涙と鼻みずを拭ったのでした。最近のブームのようにペットを連れて散歩する人をその頃は殆ど見かける事はなく、たいていの犬は家の外に繋がれっ放しの雑種犬が多かったようです。ドッグフードももちろん無くて家の残飯を食べさせるのが普通でした。我が家はラーメン屋だったのでスープの出がらしは豚の骨や玉ねぎや人参が入っていて栄養豊富で犬の餌としては良いと思われていました。しかし最近判ったことで、ねぎ類は犬に与えると貧血を引き起こすと知り、それを常食として与えていた我が家は愛犬を自分たちの手で殺してしまったことになる。最近の研究で分かった事とは言え、知識が無いという事は何と情けない事かと思う今日この頃であります。
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