養母の凄い人生
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我が家の行楽
父が学校の職員組合で積み立てた互助会費で家族レクリェーションがありました。行き先は札幌から1時間ほどの所にある支笏湖という湖です。6月からは姿や色の美しいヒメマスが解禁になりキャンプ場もあって私たちにとっては生まれてはじめてのレクリェーションでした。着るものも父が札幌専門店街のクレジットを持っていたお陰で私たちの外出着や母の着物が月賦で買えるようになりました。当時は今のようにサインやカードで買いものをする事は一部の人々にしか普及していませんでしたので買い物をする時はなんとなく優越感を感じたものでした。その日のイベントの装いは母はお召しと言う生地の着物、私は白いヴラウスに胸に刺繍が入ったワインカラーのジャンパースカート、姉は夏の制服、やっと皆と同じ制服が着られるようになりました。そして深緑の支笏湖をバックに初めての家族4人の写真を撮りました。サクラの季節には父が作った料理の詰まった重箱を持って円山公園でお花見をしました。ごく平凡で平和な家庭のように見えていたのですがある日、店のラーメンに入れるロースの豚肉が切れていましたので母は父に「自転車で肉屋まで行ってきて」と使いを頼みました。そして買ってきた肉を見て母は「こんな細切れは使えないよ!」といきなり肉を父の頭目がけて投げつけたのです。その肉は父の禿げた頭にペタペタと張り付いてしまいました。これには普段温厚な父もさすがに怒ってしまい頭の肉を手で拭い取ると目の前にあった鋼鉄製の石炭ストーブに思い切りぶっつけました。ストーブに張り付いた肉はジューッと美味しそうな音と共に良い匂いと煙が立ち昇ったのでそれを見た姉と私は大急ぎで箸とお皿を持ってストーブの前に座り込み張り付いた肉をはがし醤油をかけて大喜びして食べたのです。父母は気まずい雰囲気でその夜は一言も口を利きませんでした。仲の良いときは人目もはばからずベタベタしているのですが喧嘩となるとたいそう派手なものでした。
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