養母の凄い人生
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その3
祖母一人の稼ぎしかない生活は、切り詰めても長くは続きませんでした。ある日、祖母はトキコを白石と言う所の遊郭に連れて行き行きました。トキコは立派な建物で部屋が沢山ある大きなお屋敷だと感じ、そこで自分は働くのだと、最初はお手伝いさんが自分の仕事かと思っていた所に着物をだらしなく着た痩せた顔色の悪い若い女が現れ「あら!可愛い娘ね」「ここはネ、お金がいっぱい稼げるんだよ」と言ったそうです。何も知らないで嬉しそうにしているトキコを置いて祖母は泣きながら帰っていきました。その日トキコは女将さんに台所に連れて行かれて初めて仕事の内容を話されて体がガタガタ震えたそうです。そこえトキコより年下と見える娘が少量の煮魚と麦ご飯を持って来ました。女将さんは「いつもはもっと美味しいものが食べられるからね」といいました。その食事をお腹いっぱい食べさせてもらい粗末なふとんで泣きながら眠ったそうです。翌日女将さんに呼ばれて裏口に行くと祖母が立っていてトキコをギュッと抱きしめ「ごめんね ごめんね一緒に帰ろうね」と言ってトキコの手を引き小さな手荷物を抱えて長屋に帰ってきたそうです。まるで時代劇によくあるシーンのようですね。
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