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養母の凄い人生

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その4
 また親子二人の食うや食わずの生活が始まりました。しかし貧乏も限界にきていることはトキコにも分かりました。函館の姉妹たちにも何度か手紙を書いてお金の工面を頼んだのですがだめでした。そして祖母が病気で倒れたのがきっかけでトキコにある決心をさせました。それは「これからのお母ちゃんの面倒は私が見る誰の世話にもならない」ということです。あの遊郭の女の人達が言っていた「お金が稼げる」「美味しいものが食べられる」という言葉を思い出していました。祖母に楽をさせてやりたい一心でした。そしてトキコ一人で数日前に訪れた白石遊郭の大門を自らくぐったのです。もちろんその遊郭では祖母を呼んでトキコの決心が固いことを確認して働くことを決め、前金をもらって祖母は帰っていきました。
 トキコが働いてしばらくして店の近くに祖母のために一軒家を借り、人並みの生活ができたそうです。そんなゆとりが出来るまでは1年ほどかかったそうですが、私には何でも打ち明けてくれた彼女も女郎になって初めての体験やお商売に慣れるまでのことはさすがに言いませんでした。淡い初恋程度しか知らないトキコにとって遊女としての日々は地獄に居るようだったと思いますが歯をくいしばって老いた祖母の為に耐えたにちがいありません。今も昔も世の中には遊ぶ金欲しさとか、男に貢ぐために風俗で働く若い子がおりますがどんな神経なのかと思います。そのうえ自分の生んだ子供を虐待したり、育児放棄して死なせたり、そんなニュースを見ると自分の母は仏様のような人だったと思うのです。
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